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2007-03-28-Wed-22:04

そらちゃんのそら

  いい子ねえ、って
  大人からいつも
  あたまをなでられていたから
  ぼくはおおきくなれなかったんだ


と、いって
そらちゃんは笑う


海のみえるブランコが
そらちゃんのなきばしょ
だれかの手が
まるく
まあるく
そらちゃんを
かたどろうとするたび
ボールになってにげてきては
ぽつん、と
ゆれていたんだって

てのひらにはカメラ
ちいさく
ちっちゃく
つつまれた
銀のボディには
ほんとうは
どんなかたちにも
きりとられない、空が
つばさをつぼめて
ねむっているのだろうか


  ねえ、
  そらちゃん

  いっしょに
  とべたらいいのに


ブランコにのった
そらちゃんの
せなかをおしながら
カメラをのぞきこんだら
まばたくレンズにうかぶ
ふたりが、いた

2007-02-20-Tue-23:34

反作用の風に吹かれて

はじめは、見えなかった。

――それはファインダーの外に
   つまさきの下に
   暗がりのなか
   輪郭さえ
   ないところにあった。

それから、見ないようにした。

――それは地平線の果て
   視界の影から
   シトラスの銃口をかたむけるので、
   ファインダーを閉じて
   走り出した。
  
それはきっと
わたしがボロボロのジーンズを履いていることを
白日にさらしてしまう。
カメラをポケットに忍ばせているわりには
ほとばしる光を捕まえられないことを
夜明けの空にさらけだしてしまう。

みじめさを
にぎりしめて
ふみしめては
さらにみじめになって――

それでも
まぶたを閉じればとじるほど
からだの芯から情景が燃えあがる。
背中を向ければむけるほど
逃げ道は順光に照らされる。
上昇する熱に押されて
どこまでもどこまでも転がっていける。

(沸騰しそうな想いに
(無理やり蓋をするみたいに

走り出した先に、光も環ろうとしている――

2007-02-11-Sun-22:22

コード

友達がプリンタをくれた。
使い古しのわりには強者らしい。
それなのに
自動車に乗ってせっかく持ってきてくれたのに
電源コードだけ忘れてしまったらしい。
今、プリンタは
部屋の片隅で眠りネコと化している。

たった一本の
か細いコードが繋がっていないために
まったく役に立たないプリンタ。
ニンゲンもそうなのかな?
たとえば、ケータイ。
ネット。
ウワサ。
手足に何本も糸が繋がれて
からくり人形のように動かされて
ときおりぎこちなくなってしまうのは
糸と糸がからまってしまうからだろう。
そんななか
電源コードのように決定的な糸もあって
繋がっていなければ生きていけない。
生きていけないのだろう。

2007-01-06-Sat-20:32

あの丘へ

新年はじめての
ひんやりした外気が
メントールをぬった
くちびるに染みて
まだ夜も明けきらない街へ
吐息を立てて
飛び出していく

銀河鉄道のように
走っていって
めざすは駅
改札をくぐりぬけ
自動販売機で
ルビー色の熱い紅茶の
ペットボトルを買って
砂時計をかたむけるように
こくこく飲み干したら
くちびるにようやく血の気がさした

 (もうすぐ、電車がくる)

昨日の想いは
一瞬のうちに
去年に流されてしまったけど
プラットホームで
とくとく高鳴る心は
今年に向かって発車ベルを響かせる

 (もうすぐ、朝がくる)

コートのポケットで
ふるふる震える携帯電話
なつかしい名前と
約束の時と場所を
たしかに結ぼうと
文字がおどっている

あの丘へ

赤い日が
あたらしい空を
あたためるあの丘へ

ふたり、手をつないで

2007-01-01-Mon-23:59

おんな

おんなとして
うまれたわたしが
わたしをうもうと
はらをきめたせつなに
あなたはけっしてふれえぬでしょう
このはらのおくにはいりこめたとしても
あなたのなかでわたしはきえて
いろづいたことばをおとしていく
ちることとさくことは
せなかをあわせて
いだきあうようなものなのかもしれない

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