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2006-01-26-Thu-21:47

MAGICAL MYSTERY TOUR

-運転室-

ミステリーツアーの
ほんとうの行先は
汽車の運転手さえ
知らない
 
行先はレール任せなので
運転手は楽譜を前に
指揮を振っている
振りをしているに過ぎない

楽譜には
汽車にも心があることは
書かれていないので

運転手は知らない
汽車もアドリブを起こして
脱線する可能性があることを



-1号車-

GOO GOO G'JOOB__と
石炭の熱く焼ける臭い
HOA__と
蒸気の押し寄せる匂い

汽車の壁の裏側にも
皮膚の裏側にも
鼓動を予感しながら
青年は座席の石となる

僕は二人称なのか三人称なのか
葛藤の狭間
自分を求める気持ちは
車輪を動かして



-2号車-

「とこやさん」
「ぎんこう」
「しょうぼうしゃ」

車窓を開けて
早送りで流れる風景
を 指差して

母親は
息子に
言葉を教える

言葉は早送りされたまま
息子の中で歪んだ地図となって

成長の土台となる



-3号車-

「自分なんて
何処にもいないもん」
が 口癖の少女

苺のルージュを塗りなおしても
そこに故郷の血が滲んでいることさえ
味わえない



-4号車-

汽車の上の愚か者は
大きく開いた心の眼で
レールの先を見ようとする

旅のカラクリを
伝えようとすればするほど
愚か者は人の輪から外れて
声は体の内へ向けられる

煙が迫り来ると
眼から辛い涙がこぼれ
声は小骨となって喉を刺す

・・・このまま
汽車から飛び下りたら
ほんとうの愚か者に
なってしまうのだろうか



-5号車-

誰もいない

汽車のネジの雨が
降るのを見て

乗客はみんな逃げたけど

どの車両に行っても
危ないに違いない



-車掌室-

「こんにちは」と
「さようなら」するために
旅しているのだろうか

目まぐるしく過ぎ去る風景に
車掌は想う

やがて
自分の頭の上にも
ネジの雨が降るだろう

それでも

「さようなら」の果てに
帰るところがあるから

旅しているのかもしれない
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