--------------:--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2012-10-29-Mon-23:34

梨のきおく

夕映えに乱反射する
河口のようなきらめきを
枝先にふっとふりしぼるように
梨は金色の実をならしました

ほんとうに果てる命など
みじんもないのだという想いを
その実にみずみずしく
結晶させるかのように

黄葉の散った根元に腰かけて
ほのかに眩しい実を口にしたら
芳醇な香りが脳裏をめぐりました

わたしの奥のどこか遠い丘で
かつてこの身が梨だったときの記憶が
白い霧雨を浴びて芽生えていきます


nashinokioku.jpg


(Seasons-plus-2012年秋号 掲載作品)




関連記事
スポンサーサイト

COMMENT

COMMENT FORM

NAME

SUBJECT

MAIL

URL

COMMENT


PASS

秘密にする

HOME
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。