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2012-02-29-Wed-23:25

あの夜がある場所

あの夜
時の透間に
椅子のようなものを
見つけて
ふたり 並んで腰かけて

目の前で
湖となって静まった闇に
それぞれ
眸を向けながら
ふたり 寄り添って

ほつり、ほつり と
君がまるくなった心を
くちびるから解き放つのを
私は掌のくぼみで
受け止めて

 心そのものに
 ただ、心そのものになって
 君を 聴き止めてしまったから

夜が明けて
時がその緞帳を
白々と閉めきって
あの椅子がある場所に
二度と戻れなくても

そもそも
ひとつの椅子で
共に座っていたのか
ふたつの椅子で
別々に分けられていたのか

それよりも
どうしてあの透間に
至ることができたのか
頭に靄がかかって
思い出せなくても

 心そのものに
 ただ、心そのものになって
 君と 波紋を起こしてしまったから

戻れないのは
あの夜
あの場所
じゃなくて
これまでの自分でしょう

私はこれから
君の無言の仕草にも
葦のようなアンテナを
震わせずにはいられないでしょう

都会の雑踏
直線的な谷間
鉛のような現実

君がスニーカーの紐を
きつく結び直し
灰色の道を
小突くように蹴って
私に冷たい背中を向けても

その裏で
言葉になるのを拒んでいる
無垢で純な
感情を
自分のもののように
感じずにはいられないから

 心そのものに
 ただ、心そのものになって
 君と 余韻を残してしまったから

君の肩越しに広がる
デコボコな青空も
満天を濡らす
光の雨のような
星くずを隠しています

あの夜の
流れ星が零れるほどの
一瞬、
君の心は
たしかに私の心でした


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