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2010-09-14-Tue-01:11

Do-Re-Mi(九月のエチュード)

Drop


ほんとうは
いつも
ここでうずいていた

ポケットにしまったまま
ペトペトにとろけた
空色ドロップのように

たそがれ時の
信号待ちのさなか
ひこうき雲が
ホームランになりそこねた
ボールのように
うすらいでいって
夏が、手を振った気がした

けれど

左胸のあたりで
心をつきぬけたかった、何かが
わたしを
交差点の端で
足踏みさせている

ソーダ味の汗かいて
声もなく
叫んでいるみたいに
「まだ、ここに」
「まだ、ここに」
って



Raisin,and…


ちいさいころ
苦手だった
レーズンを
大人になって
しっとり
かみしめるように
なったように

夏のあいだに
頬張ったものは
みんな
お日さまの
甘みがしたのだと
ようやくわかりました

お茄子も
ブルーベリーも
ちょっと癖がある
つる紫さえも

みずみずしいものは
お日さまの
濃い光を
芯に
満たして

この歯に
くだかれても
いのちを繋ごうと
ほとばしって
やまない



Mille-feuille


思い出になりそこねた
きおくの欠片が
九月の陽に焼かれた
さくら葉のように
いつか
とほうもなく
ふりつもって
層をなしていきます

 サク、サク‥‥
 
  サク、サク‥‥

やがて
粉砂糖のような雪が
まぶされて
わたしは
かかとの下の
忘れものを見失ったまま
さまよいつづけるのでしょうか

 あのね
 上手く
 口にしようとしても
 いつもぽろぽろ
 こぼれてしまうの

夏は
真っ赤に熟れた
さくらんぼのジャムのよう

かじったところから
ルビー色の鮮血が
あふれて

時に
のみこまれたものたちを
よみがえらせてしまうでしょう

日記に
書きそびれた
ささやかな
かなしみも

伝えることさえ
叶わなかった
さよならも





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