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2008-08-31-Sun-00:00

染色

水族館の生き物たちは
ナポレオンフィッシュやシードラゴンから
顔のないイソギンチャクまで
どこかで見たことあるような顔をしているけれど
案外 誰も媚びたりはしない
目をぎょろつかせてそっぽ向いたかと思ったら
くねったり まどろんだり とびあがったりして
悠久の流れの果てで一瞬きらめいた泡のように
生きている

日射しが届きにくい深海に
赤いキンメダイがいることや
マグロの背中は暗緑色で
お腹は銀色をしているのにも
意味はちゃんとあって
命を守るために自らを染色したプロセスを
体の内から鏡のない中でどのように成したのか
謎はブラックホールのように渦巻いて
物語ろうとしない

硝子の壁に食いつくように
エンゼルフィッシュを撮影する携帯電話から
突然 虹色の警報のような旋律があふれて
持ち主があわてて口元を手で押さえて応対する
ヒトはよりよく生きるために
どれほど地球を染色したのだろう
目蓋を麻痺させるほど淋しい光のビートで
都心の心拍数を上昇させる陰で
氷の大地を溶かしてまで

胸に手を当ててみる
まだ大丈夫
波打っている
でも こうして
吐息を浮かべるだけでも
水気のない水槽のような世界を
さらにヒートアップさせてしまうのだろうか

黒い人影が揺れる
水の中を
色鮮やかな魚が
ひとすじの歌のように
泳いでいく


囲われているのは本当はどっちなのだろう―――


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