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2011-03-07-Mon-00:41

春、一歩手前で、

踏切の向こうできっと
ゆれているのは、春だ。

列車は懐かしい人の影を乗せて
目の前をかすってゆく。
左隣では赤い光が
内出血を起こしそうなほど
こんこんと高鳴っている。

今は独り
凍える指に息を吹きかけて
温めることしかできないけれど、
いつかきっと
彼岸の陽炎と手をつないで
あの日だまりへ
さらにその先へ

踏切の向こうできっと
もえているのは、春だ。

寒さの余り
頭から爪先まで
どくどくと脈打つ川は
やわらかく白熱する終点を
求めずにはいられない。

どんな思い出も
この身をすり抜けていったけれど、
土埃の混じる風に踊っては
いつかは
足元に芽生える草となる。

踏切の向こうできっと
ないているのは、春だ。

目頭に
生まれて
初めて溶けた
風花のなごりが
記憶の果てに
流されてしまっても

涙によく似た
透明な種子を
芯に秘めて
今、ここに、
生かされている。

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