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2008-10-25-Sat-23:31

金木犀

「愛の数だけ
金木犀は咲くの」と
姉さんは言うけれど
愛をどう数えたらいいか
わからない

キッチンで
湯気を立てている
かぼちゃのスープも
お庭で刈り取られないまま
日なたぼっこしている
草花たちも
みんなみんな
愛のような気がする

そもそも
愛って数えられるのかしら

「ひとーつ」と
人差し指を向けた先から
みえない星屑がこぼれて
体中をさわさわと包むので
指さしているのが
恥ずかしくてならなくて

人差し指を
そっと
唇に当てる

せっかく
薫りはじめた
金木犀を
大声で散らして
しまわないように
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2008-10-14-Tue-00:12

Black Rain

頬にはいつも
タダシイ雨が
降り注いでいたから
どちらを向いても
「あなたはあなただ」と
ゆるされた

雨の雫は
倍々ゲームを
繰り広げるように
お互いを映し合って
夜明けによく似た夕焼けに
照り輝いていた

乱反射する
水性のひだを透かして
世界をのぞき見するだけで
ありとあらゆる人が
潤っているような
気分を味わえた

掌にはじけた
蜜色の真珠のなかでは
あごのしゃくれた男が
城を築いている

前髪から垂れた
針水晶のなかでは
銀色の爪の娘が
ハープを奏でている

枝先でふるえる
枯れ葉を濡らす雨は
何を映しているのだろう


九月の月曜日に
Black Rain 降る

雨は映した
はじまりの空も
ドレスを脱いで
裸体をさらせば
底無しに暗いことを

オセロの
雪原の角から
熱いコールタールが
どっと流し込まれるように
人々の足元が
みるみるぬかるんでいった

枯れ葉が
紙くずのように散る
モノクロームの林の陰で
蜘蛛の巣にからまった誰かが
喉元を手で押さえて
落ちていく

それでも雨は
こぼれた人を
「あなたはあなただ」
と いって
どこにも帰れないまま
疾走しつづけるのだろうか


九月の月曜日に
Black Rain 降る


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