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2006-06-15-Thu-20:01

なにもないうた。

「えくぼ」

六月の風にゆれる
さくらの葉っぱ。
よく見たら
ぽつぽつ 穴があいている。
虫に食べられてしまったのだろうか?

穴は どこかの虫の命を みたして
穴は みずみずしい空に みたされ

わたしのこころの
ちいさなえくぼにも
すずしい光を そそいでいる。



「オカリナ」

オカリナは、ね。

目にみえる
ゆびでふれられる
鳥のかたちをした土だけが
ほんとうではなくて、

目にみえない
土につつまれた
ほっこりした空っぽこそ
たましいなのかもしれない。

空っぽで
なかったら
息はとおらない。

空っぽが
なかったら
うたは羽ばたかない。



「おかあさん」

わたしの宝箱には
何もないと言って
涙こぼしたときも、

あなたこそ宝だと
掌の玉のように
いとおしんでくれた、

おかあさん。
あなたがいなかったら
わたしもいなかった。
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2006-06-11-Sun-20:35

コントラバスは宇宙からできている

コントラバスは 宇宙からできている

共鳴胴は スプルースやメイプルなど森の木々から、
弓は 草原を走る馬の尾の毛から
成り立っていて、
弓に琥珀色の松脂を塗り 弦に滑らせることによって
音の矢が、ゆるやかに放たれる

コントラバスは 宇宙からできている

川のように流れる五線譜の 水面で乱反射する
ソプラノを支えるように、
水底を伝う バスの響きよ
ピチカートは 透明なおたまじゃくしとなって
弾けては 泳いでいく、生まれ故郷の宇宙へ・・・

宇宙が 秩序から無秩序へ 移ろわずにはいられないとしたら

創る、
という行為は
秩序に 環ることなのだろうか

かつては動植物だった 楽器は
今もなお 生命体として
自らを発した森羅万象に、産声を跳ね返し
ほとばしる旋律は
へ音記号以前、終止符以後のカオスを 結ぼうとする

 より深く

      ヨリ深ク

その環の中へ、根ざすために
2006-06-03-Sat-09:05

星の馨り

荷物が重くて
帰り道が遠い夜も
星が しゃん、と
鈴を鳴らすことがある

鞄で傾いた右肩を
白銀色の響きが
そよ風となって撫ぜるから
もう少しだけ進んで行ける

余韻の尻尾
捕まえようとして
左足を踏み出したら

馨り
記憶を霞めて過ぎる
懐かしさを越えた場所へ
2006-06-03-Sat-09:02

この子 大きや

この子 大きや


まろき頬を
背なにのせて
まどろむ 吾が子


金魚の べべ着て
へご帯
締めて



から ん  ころ ん

赤い つまさき
鼻緒で
すれて


から ん  ころ ん

宵を 縫うように
さ迷い
ゆけば



ちょうちん明かりに
和えかに匂う人々
吾子の小ささに まなじり細めても



この子 大きや


をんなの手には
重たき血汐


果てなき夜空に
いつか
ひとり



この子の をとこおや は


暮らしに疲れて
湯気が立つように



いったい何処(いづこ)へ
 
 

消えたやら






火照りは 続いて
田畑は  枯れて


祭りごとは 
いのちを 吸って 脈打ち



この子 大きや


川面に腕(かいな)を
伸ばす
月影


幾久しく
流れよ、と



祈る
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