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2005-11-26-Sat-22:50

心のなかの空

絵本の1ページみたいに
あたたかな日

あそびつかれた ミーちゃんが
ママにせなかを トントンたたかれながら
おふとんにくるまって
おひるねしようとしている

すると
とおくから なにかが
ゴーーーと うなる音

「あ、ひこうき」

ミーちゃんが
てんじょうをゆびさす

まどからは
お庭の木がゆれるのと
おとなりさんの家が
みえるだけなのに

あなたには
みえるのね

ゆびさきのむこうの
心のなかの
空が
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2005-11-23-Wed-09:17

桜輪廻

ごめんね
今まで気づかなかったよ

赤や黄色の季節の絵の具で
みずみずしく重ね塗りされた
桜の木の葉っぱの影に
ちいさなちいさな
土色の蕾

今までずっと蕾は
冬に現われるのだと勘違いしていた
秋は秋で
目まぐるしく落ちる葉っぱに惑わされて
死の影に
生が
確かに脈打っていることさえ
忘れそうになっていた

目を閉じて
青葉の向こう
海鳴りのような木漏れ日を描いて
いつからそこに蕾は現われていたのか
思いを馳せながら

麦踏みするように
落ち葉を踏む

落ち葉が
土となり
樹液となって
いつかは空いっぱいに
明るい花を満たすのを
感じながら
2005-11-21-Mon-22:10

きねんび

わたしが

うまれてから

なみだを

 このてで

  ふくまで

ちちははは

どれほど

こころを

 ぬらした

  ことだろう


いきていく

そのしぐさの

 かげには

きおくが

 めばえる

  まえに

ねんりんの

 ように

  きざまれた

いくつもの

きねんびが

 いきづいている


あたまでは

 みんな

  わすれていても

からだの

 すみずみまで

  おぼえている


うまれて

 ないて

わらっては

 ときがひとつ

  しんだ

   ことも
2005-11-18-Fri-21:58

初めての俳句

先週初めて俳句の連作をつくりました。
前回の「小春日」がそうです。

俳句って、元々難しいイメージがあって、
それは、四角四面の中で動けなくなるようなイメージで、
憧れはあっても、なかなか作れずにいました。
なのに、ふとした瞬間、すとんと出来てしまいました。
それは、たった十七文字の中で、自分の思いが広がったような感覚。

難しいな・・・と未だに思っているし、
ひょっとしたら、文法的に間違っているところがあるかも・・・
と思うものの、
出来あがったものを見ていたら、なんだか嬉しくなりました。

俳句にしても何にしても、創作することは、
自分をしばるためにするんじゃなくて、
自分を広げるためにするものなのかもしれないと思いました。
2005-11-16-Wed-22:57

おかえりなさい

小さいころは
どこか遠くへ行こうとするたび
道をなくしていた

両目にうるむ
しょっぱい涙

いつのまにか
自分のおうちが
いちばん遠い場所になっていた

・・・迷子はいつになったら
迷子をぬけだせるの?

君との関係を
確かめようとして
君を見失って
闇雲に走って

遠い夏の日
さやけきケヤキの下
汗ばむ地肌をなでてくれた
たくましい手を思い出す

「おかえりなさい」

君の腕にくるまって
あのまま眠りに落ちていたら

視界をゆがめる
理想に囚われることなく

幼な子のように
鼓動
感じることができたのに
2005-11-16-Wed-22:53

葡萄

葡萄の皮をむく。
私のふる里でとれた葡萄を
君の部屋で二人して。
同じ房からつまんでいるのに
君の逞しい指先は
小さな粒と格闘していて
ああ、やっぱり男の人なんだと
こんなときになって、思う。

葡萄を口にする。
私の細い指先は
金色の果汁で濡れているのに
身体のすみから
紫色に染められそうな気がして
ふと、こわくなる。

ねえ、葡萄って
君が留学する国では
何て言うんだろう?

そんな問いかけさえ
ぷるんとした粒と
いっしょに飲みこんで。


窓から射す夕日は
テーブルもベッドもない床を
広々と照らし、
君が持っていく必要最低限の荷物に
深々と影を落として、

暮れゆく空では
ジェット機が鳴り響いて
タイムリミットを急かすので、

もう、甘酸っぱい溜息さえ
つくこともできない。
2005-11-15-Tue-20:54

星座をつなぐ

ケータイの震えをピッと指で止め、いつもの声にからだ温もる


「何してた?」「月を見ていた」五百キロ離れた二人を結ぶ光を


電話だと君の声が近すぎて星座をつなぐ孤独に気づく


吐息さえ手のひらサイズで届くのでストラップだけがやけに重たい


おたがいに切れない通話ツーツーと冷たい音色聞かせたくなくて


2005-11-12-Sat-00:55

小春日

小春日や恋文広げ胡蝶舞う


風満ちて踵に潮引く落葉かな


土撫でし紅葉ふんわり子守唄


枯れ尾花白くなるほど羽ばたけり
2005-11-08-Tue-21:44

つぼみの風

発売まで指折り数えたCDを
ようやく手にして
するするセロファンを
むいているときのときめきは
リンゴを倍速でむいているみたいで

ポンと
再生ボタンを押すと
さらに加速度を増して
もぎたての音楽が回転する

わたしの中には
つぼみの風が
プラスチックのケースに
閉じこめられていて

心をゆり動かされたとき
 コト コト
 コト コト
プラスチックをノックする

(ああ、そうだ)

1秒先のメロディーを
つかまえようとして
心臓が前のめりになる

(わたしもただ、歌いたいんだ)

熱い息がこみ上げる

 

日曜日になれば
ギターを抱えて
東京中の公園をまわるのが
わたしの仕事で

平日がバイトにつぶれても
お金がなくてお腹がへっても

どうしても空に溶かしたい歌があって

つぼみの風が
純粋なまま
いつかは実って

誰かの手によって
再生ボタンを押されるのを
ゆめみている
2005-11-08-Tue-21:41

涙が泣くと

両手いっぱいの雨に
涙がまじっていたら

うけとめる方がいいのか
ふれない方がいいのか
なやみます。

うけとめた涙は
そっとしてほしかったかもしれません。

ふれなかった涙は
すくいとってほしかったかもしれません。

涙が泣くと
雨は流星のように
早足に、ただ、早足に
おちていって
もうどんな哀しみも
この目でとらえられなくなるけど

どうしたらいいの、と
思わずほとばしった涙さえ
地面におちていきました。

地面は全てを
やさしくすいとっていました。

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